暢気に生きる
大ババタヌキは 心配性です。
デイサービスに 出かける前日には
持ち物を整えて きちんと準備しておきます。
その当日には
お迎えの時間の 30分以上も前に
戸締まりや 火の始末 電気も全て消して
お迎えの方を 少しも待たせずに、
すぐさま出て行けるように と
靴も履いて 帽子もかぶり
真っ暗な 玄関で待ち続けるのです。
私は、そうした心配性を 止めるように 説得するのですが
オオババタヌキは言うのです。
「私は 暇だから 時間は充分にあります。
人に迷惑をかけないように じっと待っていることが好きなの 」
と言い張るので どうすることも出来ずにいました。
ある時、親切なデイサービスの 職員の方が
本人を説得してくださったのです。
「私たちも 同じように 待たせるのは嫌なのですよ。
待たせてると思うと 焦って事故を起こしてしまいます。
ですから、椅子に座って テレビでも見ながら
暢気に 待っていてください。」 と
その言葉を聞いてから 少しずつ 態度が和らいで変化してきたのです。
そして つい先日のこと
デイサービスの荷物の準備を 当日の朝
出かける直前に している姿を見ました。
5分とかからない準備なのですから それで良いわけですが
随分 暢気になったモノだと びっくりしました。
「生きてるだけで 丸もうけ」
そう言いながら 笑っていました。
性格って 変わるモノですね